戦国桜話
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私のお母さんはここらで名の知れた巫女だった
優しくて美しいお母さんは天女とも言われていたと言う
そしてお母さんの幼なじみだったのがお父さん
お父さんもお札で悪霊を封印したりとお母さん同様に名前が知れ渡っていた
誰よりも頼りになってかっこよかったお父さん
元より幼なじみだった2人が惹かれ合い、私が産まれた
そして・・・・・・
桐沢家には代々受け継がれる役職があった
“戦国と現代の中和”
昔々に見つかった戦国へと繋がる鏡道[きょうどう]・・・
今の私のクローゼットのある場所に大きな鏡があったという・・・・・・
私達、桐沢家は戦国の世をまとめる妖怪の頭首と話し合い、妖怪が現代に現れないようにしていた
それで中和が保てていたのだ
私が産まれる少し前までは戦国との中和は保てていた
しかし私が産まれ、すくすくと大きくなり始めた頃に事件が起こった
ある日大量の妖怪が鏡道を通って現代に現れたのだ
現代にやって来た妖怪は人間を襲い、食らった
戦国との中和は保てていたはずなのに・・・
そこで私の両親は戦国へ行き、妖怪の頭首を倒した
妖怪の頭首との戦いで私のお父さんは力を使い果たし、死んだ
そして巫女であったお母さんもお父さんとの「鏡道を封印する」という約束を守るため自らの命を代償に封印した
封印された鏡道は跡形もなく消え、再び現代は平和になった
たった1人・・・幼かった私を残して・・・・・・両親はこの世を去った