戦国桜話


まぁ・・・幼なじみとだけあって、家も近いから5分もしない内に来るだろう


久壌 咲兎[クジョウ サキト]


私のクラスメートで幼なじみの・・・少し・・・いや、結構な天然男


学力は無いくせにスポーツは出来て、顔もカッコイイだけあって女子からは相当好かれている


『しかもお金持ちとなったら、そりゃ女子から人気だよね・・・』


私は面白くなさそうにボソッと呟いた


咲兎は全国にチェーン店を出している「FAIRY LEAF」っていうケーキ屋の跡取り息子で・・・・・・


高校生である今でも現パティシエ


大会にも参加していて大人顔負けの腕前でどの大会でも優勝候補・・・


改めて考えてみると・・・咲兎って凄い偉い人なんだなぁ・・・


なんて・・・
私が呑気に考えていると・・・・・・





バンッ!!!





勢いよく扉が開いた


私がドアの方へ視線を移すと、そこには息を切らした咲兎が立っていて・・・明らかに走って来たんだという事が分かる


『咲兎・・・?』


私が首を傾げて尋ねても咲兎はそれに答えず私の部屋の中にズンズン入ってきた




あれ・・・?


何か・・・怒ってます?




咲兎は私の目の前で立ち止まり、私を見つめた


咲兎は私よりも+15cmくらい身長が違う為、必然的に私が咲兎を見上げる形となる


『どう・・・したの?』


私が恐る恐る聞くと、咲兎はゆっくりと私を抱き寄せた


『さ、咲兎!?』


いつもと違う雰囲気の咲兎に私は戸惑う








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