戦国桜話


昔から咲兎は私が謝ると何でも許してくれる


それが咲兎の良い所なのかもしれないけど、時々無理してるのではないかと思う時がある


誰だって許せない事が1つや2つあるものだ


私だってあるし・・・どんなに優しい人でもあるに決まってる


私はまだキョトンとしてる咲兎に話し掛けた


『咲兎が優しいのは知ってるよ?でも・・・私だって幼なじみなんだし・・・別に怒られたって・・・』


『俺には怒ったりすんの似合わないよ』


そう言ってまたお得意の笑顔を見せる


人に嫌われるのが怖いのか・・・


本当に怒れない性格なのかは分からないが


たった1人の幼なじみなんだから・・・遠慮なんてしないでほしい・・・


『私は・・・咲兎を嫌ったりしないよ?』


『ありがとう・・・でも・・・これが俺だからさ』


少し淋しそうな顔を見せた咲兎に胸が締め付けられる・・・


似てる・・・今の私に・・・


きっと私も・・・あんな風に淋しい顔して笑えてない・・・


何故そう思ったのか分からない・・・


でも直感的にそう思った









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