戦国桜話
私は自然と眉を寄せる・・・
佐助もこんな気持ちだったの・・・?
だからさっき・・・・・・
『・・・葵?』
『え?あ・・・何?』
不思議そうに首を傾げる咲兎に私は問い掛ける
『いや・・・複雑そうな顔してたから・・・』
咲兎は右手を伸ばし、私の頬に触れた
私は少し冷たい咲兎の手にビクッと過剰に反応する
その反応に咲兎はクスッと笑い、私の頬にキスを落とした
それだけの事なのに顔が一気に赤くなる
『俺は葵の事好きだよ?』
『・・・うん。ありがとう』
私はそう答えて下を向いた
咲兎は本当に人をからかうのが好きらしい・・・
いつも・・・からかわれる
『じゃあ俺は帰るよ』
『あ、うん』
私は時計に視線を向けた
気付くと時刻は9時近くにまでなっている
その後私は咲兎に別れを告げて自分の部屋に戻った
目を閉じれば佐助達の事ばかりが浮かんでくる・・・
ダメだ・・・
忘れないといけないのに・・・
だるそうにベッドに横になれば重力にしたがって瞼が落ちる
私はそのまま深い眠りに落ちていった