戦国桜話
別に腕や技術が凄い訳ではない
いや、もちろん凄いんだけど
咲兎は・・・心が強い
目標に向かって一直線だし・・・恐れを知らないというか・・・挑戦心旺盛というか・・・
私には持ってないものを咲兎は持ってる
戦国との鏡道が復活したのに私は何も出来なくて・・・
それどころか
何とかしたいと思う半面、何も出来ないと諦めてる
どんだけ消極的だよ・・・私・・・・・・
『葵・・・?』
『え?あ・・・・・・何?』
『葵は・・・何を悩んでるの?』
心がドクンと大きな音をたてた
『悩・・・み・・・?』
声が震える
私・・・何も言ってないのに・・・何で分かったんだろう・・・
『何か・・・悩んでるでしょ?葵の事だから・・・また1人で抱え込んでるんだろうけど・・・』
“また”・・・・・・
そうだった・・・
昔から咲兎には隠し事は通じず、悩んでる時とかイジメられた時とか・・・隠しててもすぐに見破られちゃうんだった
『俺には・・・相談出来ないの?』
『・・・・・・・・・ごめん』
さすがに咲兎を巻き込む訳にはいかないよ
心配性の咲兎だもん・・・相談したら自分がやるって言うに決まってる
大会も近いし・・・咲兎には悪いけどこれは自分で解決しなきゃ