戦国桜話
旅の再開
――――――――――☆
私は鏡道を出て辺りを見回した
桜の花びらが散ってピンクの絨毯の様になっている
桜の命は短い・・・・・・
『遅ぇよ』
後ろから聞こえてきた声に私は肩を震わせた
私はゆっくりと後ろを振り向く
『な、んで・・・・・・』
そこには腕を組んで桜の木に寄り掛かる佐助の姿があった
ずっと待っていたのか佐助の頭には桜の花びらが乗っている
何も言えずにいる私に佐助は軽く息を吐き、ゆっくりと近づいてきた
『遅いって言ったんだよ、いつまで待たせる気だ』
『だってまた来るなんて言ってないし・・・』
『来ないとも言ってないだろ』
佐助の言葉に私は言葉を詰まらせた
確かにそうだけど・・・・・・
佐助は私の近くで止まって私の顔を覗き込んだ
顔の近さに私は思わず赤面する
『お前・・・・・・』
『あー!!葵じゃ!葵がおる!!』
佐助の声を遮って遠くから懐かしい甲高い声が聞こえた
この声は・・・・・・
『胡蝶!?』
『チッ・・・』
佐助は舌打ちをして私から離れた