戦国桜話
言った瞬間、私は顔を下に向けた
みんなの顔が見れない
役立たずな私・・・・・・
佐助みたいに剣を使った事も無いし・・・
八神さんみたいに術も使えない
鶇夢さんみたいに鳥を操る事も出来なければ・・・
胡蝶の様な特殊な体でも無い
・・・・・・“普通の人間”
役立たずの人間を・・・果たして旅に連れていってもらえるだろうか?
私が不安に心を押し潰されそうになっていると、突然頭に手を置かれた
見上げれば佐助がそっぽ向きながら口を開いた
『旅に連れていく。俺はそのつもりだった』
『・・・へ?』
私が首を傾げると、次は私の肩に誰かの手が置かれた
振り返ればニッコリと笑う八神さん・・・
『当たり前じゃないですか、今更何を言っているんです?』
『葵はもう我らの仲間じゃ』
『女・・・私一人で寂しかったのよねぇ』
最後に鶇夢さんが私に抱き着いてくれた
『葵ちゃん・・・・・・これからよろしくね』
『鶇夢さん・・・・・・』
仲間だって言ってくれた
一緒に旅をしてくれるって言ってくれた
『みんなぁ〜・・・・・・』
最高の仲間がここに居る
『ったく・・・泣き虫が』
『だってぇ・・・・・・』
感動して涙が止まらない私を見下ろして佐助はため息を漏らした
みんなの優しさが嬉しい