戦国桜話
『そういえば、さっき胡蝶達に会う前に私に何か言おうとしてなかった?』
ふと、さっき佐助の言葉が胡蝶に遮られたのを思い出す
――――「お前・・・」
あの時佐助は眉を寄せながら呟いた
何を言おうとしてたんだろうか・・・?
『あぁ・・・あれは・・・』
佐助は少し考え、ずぃっと私に近寄った
・・・顔が近い・・・!
『な、何?』
『お前・・・男の臭いがする』
『失礼な!私が男だってか!』
『違ぇよ!!なんか甘い匂いと共に男の臭いがすんだよ!』
・・・あれ?違う?
ここで「お前、男だろ」とか言われたら即座に抹殺しようと思ってたけど・・・・・・
甘い匂い?
男?
『あ!咲兎の事!?』
『・・・誰だそいつ』
眉間にシワを寄せていた佐助が更に寄せる
な、何でそんなに不機嫌なんだろうか・・・
『幼なじみだよ!昔から仲がいいの』
『ふ〜ん・・・』
佐助はそう言って私から離れた
その表情は何だか不服そうだ