戦国桜話
『う〜ん・・・やっぱり僕の願いを叶えるには周りの奴らが邪魔だなぁ』
雅が幻想鏡を見ながら呟いた
こいつ・・・何を言って・・・
『変な友情なんて・・・いらないんだよ』
冷えきった黄金の瞳で幻想鏡を見る雅を見て、蜜華は背筋がゾッとした
まさか・・・・・・!
『そうだな・・・まずはこの狐を始末しようか・・・』
雅が指差す先には葵の膝の上に座るもののけ・・・
『ね?蜜華?』
冷酷な笑みを向けられ、蜜華は反応することが出来なかった
冗談なんかじゃない・・・
この男なら必ず実行する
『さてと、準備しようか』
雅は立ち上がり、鏡の方を向いた
『今回も・・・鏡の協力が必要みたいだ』
『かしこまりました』
鏡の返事を確認すると、雅は蜜華の方を向き、さっきの冷酷な笑みとは対照的な笑みを浮かべた
『蜜華・・・とりあえず僕達を乗せて西の山に飛んでくれる?』
『・・・・・・わかった』
可哀相に・・・
あのもののけは葵と一緒に居るだけなのにな・・・
蜜華は笛でピピを呼び、雅達を乗せて飛び立った
葵の心が・・・折れなきゃいいけど・・・
気持ちいい春の風を受けても、蜜華の心は晴れなかった