戦国桜話
私が考え込んでいると、毒蜘蛛が自由になった前足を振り上げて、佐助目掛けて襲おうとしているのが見えた
『佐助!!!』
ピュイ―――…
バサッ!!!
次の瞬間、大きな鳥が佐助を抱え、空に飛び立った
ポポだ……!
佐助は間一髪で毒蜘蛛の攻撃から逃れ、攻撃を外した毒蜘蛛は「うごォォ!!」と怒りの声をあげる
『もうすぐ八神の術が切れる…、ここから狙える?佐助』
『当たり前だろ』
そんな二人の会話が聞こえてきた
八神さんを見ると、きつそうに額に汗を流している
『だ、大丈夫ですか!?八神さん!!』
私が慌てて駆け寄ると、八神さんは微笑んで「大丈夫です」と答えてくれた
……絶対に大丈夫なんかじゃない
『佐助!これが最後の攻撃じゃ!これ以上は八神が持たぬ!!』
胡蝶が声を張り上げて上を見つめた
佐助はすでに刀を構えている
『次で決める…!ポポ!しっかり支えとけよ!!』
ピィルルルルル………
ポポが佐助の呼び掛けに答えるように鳴いた
『行っけぇ!!龍破・波動剣!!!』
刀から放たれた光は毒蜘蛛み包み、毒蜘蛛はうめき声をあげながら力無く倒れ込んだ
『やったのじゃ!!!』
胡蝶が喜びの声をあげたのと同時に八神さんがガクッと地面に膝をつく