戦国桜話
正直、雅達が私達に妖怪を送り込んできたんだと思ってた
きっと私達が旅を続ける事を雅達は良く思ってないだろうから……
『さっきの妖怪……妖気はあったが、あいつらの妖気は感じられなかった』
佐助は腕を組んで、深刻そうな顔をして呟く
佐助は人間のくせに妖気を感じる事が出来るし、妖気の出どころなんかも分かるらしい……
それに足も速くて……
人並み外れた身体能力といったところだろう
『じゃあ……これまで私達を襲ってきた妖怪達は……?』
『誰の指示でもない……という事だな』
佐助の言葉に私は背筋がゾッとした
こんな妖怪が私達だけを襲ってきたのではなく、人間だから襲ってきたのだとしたら……
私達の様に妖怪に襲われている人間が居るって事だよね?
武器も力も無い普通の人間が妖怪に襲われているだなんて……
『戦国も物騒になりましたね……』
『昔はこんな世界じゃなかったんじゃが……』
『え!?昔はこんな世界じゃなかったの!?』
胡蝶の言葉にびっくりして反応すれば、みんなは「え?」とでも言葉を漏らしそうな顔で私を見た