戦国桜話
佐助は眉間にシワを寄せた
まるで「嘘を付くな」とでも言いたそうに
『嘘じゃないよ・・・佐助、君の両親を殺したのが誰なのかも僕は知っている』
『『・・・・・・ッ!!』』
男の言葉にこの場の空気が一変したのは言うまでもない
実際、私も驚いていた
・・・佐助が知らない男がそんな重要な事を知っているなんて誰が思うだろうか
絶対に誰も思わない・・・・・・
『・・・ッ・・・俺の両親を殺したのは誰だ!?』
佐助がこちらに来ようとした瞬間、佐助達の前に赤い着物を着た女の人が立ちはだかった
『ここから先は行かせないよ!下がりな!!』
『誰だてめぇ!どけ!!』
佐助は刀を抜こうと身構える
そんな佐助を見て目の前の男はフッ・・・と怪しげに笑った
その顔に私は寒気がする
『ありがとう蜜華[みつか]。僕はこの子に話がある・・・そいつらの足止めをしててくれないか?』
『了解』
・・・・・・話・・・?
一歩一歩近づいてくる男の威圧感に私は後ずさりするしかない・・・・・・
嫌な汗が出てきそうだ
『てめぇ!葵に何するつもりだ!どけよ!!』
『そうはいかないよ!』