戦国桜話
白く、長い髪を一つに緩く束ねた
瞳に光が無い女の子・・・
なんて冷めた目をしているの・・・
銀色の冷めた瞳に私は体が凍り付きそうになった
『鏡、奴らの足止めをしてくれる?』
『・・・かしこまりました・・・・・・・・・』
男の頼みに鏡と呼ばれた女の子は細い両手を前に差し出した
・・・・・・・・・?
何をするんだろう?
私は首を傾げる
それと同時に彼女の手の平を霧が包み
次の瞬間には彼女の両手の平に銀色で不思議に縁取られた直径20cmくらいの鏡が握られていた
・・・凄い・・・・・・一体どうやって・・・・・・・・・?
私が感心している間にも私と八神くん達の距離は近くなってきている
もう少し・・・・・・
もう少しで八神くん達が来る・・・・・・
私が安堵のため息を漏らした瞬間―――――
『・・・呪縛[じゅばく]』
彼女の言葉に彼女の持っている鏡が怪しく光った
『か、・・・体が・・・!!』
『何故じゃ!体が動かん!!』
『・・・え!?』
二人の言葉に私は男を除けて八神くん達の様子を伺う・・・・・・
・・・・・・・・・嘘でしょ・・・・・・
私の目線の先にはこちらに体を向けたまま、完璧に動けなくなっている二人の姿があった
『ありがとう、鏡。このまま術を続けて』
『かしこまりました・・・』