戦国桜話
『・・・君は・・・不思議な力を持っているね・・・?』
男の言葉に私は素直に頷く
嘘をついたって仕方が無い・・・・・・
私はなるべく目線を合わせないように下を向いた
『・・・そして・・・君のポケットにある物も・・・力を持っている・・・』
『・・・・・・へ?』
私は思ってもみなかった言葉にさっき下げたばかりの顔を上げて間抜けな返事をした
私の返事に男は軽く笑う
『君・・・ポケットの中の物を大切にしてるみたいだけど・・・誰かからの贈り物?』
『・・・唯一、親が残してくれた物・・・・・・』
『・・・・・・ふ〜ん・・・そうか・・・』
そう呟きながら少し考えるポーズをとる男・・・・・・
何をそんなに考え込んでいるんだろう・・・?
そ、そうだ!今のうちに逃げ出そう!!
チャンスは今しかない!!
そう思い、体を動かした瞬間―――――
『・・・俺は佐助の両親を知っているけど・・・君の両親も知っているよ?』
・・・・・・っ!!!
男の言葉に私の動きが止まった
『・・・・・・何、言って・・・・・・』
『本当だよ?信じるか信じないかは知らないけど・・・・・・君の母親は・・・・・・捺芽[なつめ]って言うんでしょ?』
『・・・ッ!!!』