戦国桜話


気になってる事・・・・・・?


八神は考えるポーズのまま俺の方を向いた





『佐助はあの・・・蜜華と言う女子(おなご)を知ってましたか?』





あの女子(おなご)・・・・・・?


あぁ・・・昨日の赤い着物を着た黒髪で瞳が赤いあの女か・・・・・・


やけに威勢がいい奴・・・・・・
女にしては強かった


確か、蜜華とか言ってたな・・・・・・


『知らねぇ・・・会ったこともねぇ・・・・・・けど・・・・・・』


『佐助も気付きましたか・・・・・・』


俺が言い終わる前に言葉を被せた八神・・・・・・


八神と俺の思っていることは同じのようだ


『何が気付いたんじゃ?』

胡蝶が不思議そうに首を傾げた





『はぁ??』





こいつ、本気で言ってんの??


有り得ねぇ・・・・・・


普通は気付くだろ・・・・・・!




馬鹿か
阿呆か
記憶障害か・・・・・・




俺は呆れて軽く息を吐いた


『胡蝶は黙って聞いとけ、次第に分かる』


『・・・・・・わかったのじゃ・・・』


胡蝶が渋々頷いたと同時に俺と八神はさっきの続きを話しはじめた


『佐助は気付きました?・・・・・・あの鳥・・・・・・』


『・・・あぁ』







大きくて綺麗な鳥・・・・・・


艶のある羽、淡い青色の翼、奥深く光る瞳、長くて黄色い嘴(くちばし)・・・・・・


あれは正しく・・・・・・・・・・・・







『あの女は・・・鶇夢[つゆめ]と同じ、窪鳥珂[あちょうか]の生き残りみたいだな・・・・・・』


そうとしか考えられない・・・・・・


















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