おまつりBoyと夢みるGirl
「あ、着いた・・・」
見覚えのある家の壁に、ほっとしながらだけど少しだけがっかりしながら車を降りると、恭二が携帯を振りながら、笑って「おやすみ」と口を動かしたのがわかった。
「おやすみなさい」
去っていくタクシーに手を振る。
・・・・・
はぁ~~・・・・
なんか・・・・疲れた~~・・・
だって、こんなの初めてで、ドキドキすることすら忘れてるよ、私の心臓。
あんなかっこいい人が・・・・私を、って・・・・
もしかしたら聞き間違いかもね、って首をひねりながら玄関に入ろうとしたその時、
「ひゃぁっ!!」
ぬっ、と出た人影に、おもわず腰が抜けそうになる。
「よっ」
え?
誰?
「俺だよ、俺」
はぁ?
現れた人影は、幼なじみ、お祭りバカ野郎、ジョーだった。
「ジョー?・・・・なにやってんの?こんなとこで」