おまつりBoyと夢みるGirl
ママは、少しだけためらいながら静かに話してくれた。
「まつり・・・・あなたのためにジョーくんが頑張ってくれてた、って覚えてないの?」
・・・・え・・・・・?
「クリスマスの日。小学生だったよね。まつりがサンタさんって誰?って。なんで家には来てくれないの?って泣いてふさぎこんでたこと、あったよね・・・」
あぁ・・・・
「うん・・・・」
遠く苦い思い出。
小さいあたしにしたら、周りの皆と「違う」ってことが、怖くて、悲しくて、許せなかった。
「それで、まつり、『クリスマスがないような家なんていらないっ』って・・・・部屋にとじこもったこと、あったでしょ?」
「・・・・・うん」
我ながら幼稚だとは思うけど、なんとなく胸の片隅にまだその痛みが残ってるような気がした。