おまつりBoyと夢みるGirl

ママは、少しだけためらいながら静かに話してくれた。



「まつり・・・・あなたのためにジョーくんが頑張ってくれてた、って覚えてないの?」




・・・・え・・・・・?




「クリスマスの日。小学生だったよね。まつりがサンタさんって誰?って。なんで家には来てくれないの?って泣いてふさぎこんでたこと、あったよね・・・」




あぁ・・・・



「うん・・・・」




遠く苦い思い出。



小さいあたしにしたら、周りの皆と「違う」ってことが、怖くて、悲しくて、許せなかった。



「それで、まつり、『クリスマスがないような家なんていらないっ』って・・・・部屋にとじこもったこと、あったでしょ?」



「・・・・・うん」



我ながら幼稚だとは思うけど、なんとなく胸の片隅にまだその痛みが残ってるような気がした。



< 152 / 275 >

この作品をシェア

pagetop