空想リフレクション
ユキノは真っ白な雪の降る日に産まれたから

それに感動した両親がユキノって名前をつけた。

冬に産まれて、冬に因んだ名前をつけられて。


ユキノは寒がりだ。

けれど少し前からユキノは冬が自分に似合ってると思うようになった。

塞ぎこんで、縮こまって、色気づく気もない。


冬には冬の美しさがある。


そんなこと知ってる。知ってる。知ってる。



春も夏も秋もどうせ自分には似合わない。

道端の彩りは移り変わっていくのに。

それでも14年間ぐるぐるしてきたようだ。


季節を巡った気はしない。

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