空想リフレクション
次の時間、教室に戻って窓の外を眺めると彼はいなかった。

誰だったのだろう。

明らかに日常に反した出来事だったと思ったが、その話題にふれている者はいない。

みんな気付かなかったのか。


「え?いた?そんな人?気付かなかったけど?」


まぁ話題にならないならそれはそれでいい。

むしろそのほうがいい。

彼に見覚えがある気がしないでもない。

けれど誰だか気付けない。

教室の窓から外を眺めても校庭に彼はあらわれなかった。

次の日も。次の日も。
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