アキちゃんと雪だるまくんのお話
「どうしたの?わ、大変だ、血が出てる。ちょっと待ってね」
アキちゃんは思わず俯いた顔をあげて、ぼやけた視界でその声のほうを見ました。
そこにはおそらく人ではない、なにかまっしろな丸いものが、ああでもない、こうでもないと言いながら何かもぞもぞしていました。
手で涙を拭い、もう一度見ても、やっぱりなにかまっしろな丸いものがもぞもぞしていました。
そして、そのまっしろい丸いものは間違いなく雪でした。
両手を広げたアキちゃんがすっぽり収まってしまうほどの大きな雪のかたまりの上に、その半分くらいの小さな雪のかたまりが積み重なっていました。
小さい雪のかたまりには、絵の具をこぼしたかのような黒に染まった部分と淡い赤に染まった部分とがあって、
それらはブーメランくらいの口と音符のような目と眉をつくり、まるで誰かが描いたような柔らかい表情になっていました。
アキちゃんは思わず俯いた顔をあげて、ぼやけた視界でその声のほうを見ました。
そこにはおそらく人ではない、なにかまっしろな丸いものが、ああでもない、こうでもないと言いながら何かもぞもぞしていました。
手で涙を拭い、もう一度見ても、やっぱりなにかまっしろな丸いものがもぞもぞしていました。
そして、そのまっしろい丸いものは間違いなく雪でした。
両手を広げたアキちゃんがすっぽり収まってしまうほどの大きな雪のかたまりの上に、その半分くらいの小さな雪のかたまりが積み重なっていました。
小さい雪のかたまりには、絵の具をこぼしたかのような黒に染まった部分と淡い赤に染まった部分とがあって、
それらはブーメランくらいの口と音符のような目と眉をつくり、まるで誰かが描いたような柔らかい表情になっていました。