最後の瞳に映る物

｢拓、拓？？｣

｢んあ？柳瀬は早退したケド？？どうした皆川？｣

｢美都子…美都子が…｣

｢前田？？前田がどうした？｣

｢美都子が誰かに…｣
ーガラッ

拓の教室のドアが開いて愛子の担任須藤が血相を変えて飛び込んで来た。

｢石川先生！…愛子！さっき前田美都子が何者かに殺された…｣

(えっ？)

｢待って…嘘…先生嘘でしょ？｣

｢嘘じゃない｡さっき連絡があって、親御さんが家に帰ったときに発見したらしいんだ。パソコンが付けっぱなしで何か調べてたのかメモが散乱してたらしい。その中に犯人に怯えるよう目を見開いて倒れてたそうだ｣

｢…いやー美都子ー美都子ー｣

愛子は狂ったように泣き叫んだ

それを須藤が強く抱きしめる。

須藤の胸の中泣きじゃくる愛子…

親友の死は彼女にとってあまりにも残酷な事だった