Girls Kiss・『小学生のキス』
しばらくは何も話せなかった。

彼女は鼻歌を歌って、上機嫌。

だけどアタシは何だか居心地が悪くて、話し出した。

「雑誌見たよ! 可愛い服を着てたよね」

「そう? ありがと、嬉しい」

うっ…! モデルスマイルと分かっていても、彼女の笑顔はまぶしい。

「良いよね、ああいう服が似合うって。アタシなんていっつもボーイッシュ系ばっかり着てるから、うらやましくって」

「でも似合っているじゃない。可愛いわよ」

「あっありがとう」

えへへ、と笑う。

お世辞だと分かっていても、嬉しい。

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