ようこそ! 魔破街へ
カルマ・犯罪遺伝子保持者
六時になる十分前に食堂へ行ったが、すでにムメイは来ていた。

一番奥の窓際の席に座り、オレに気付くと手を振ってくれた。

「もしかしてずっと寮にいました?」

「イザヨイといろいろ話をしてた。アイツとは同級生だったからな」

「じゃあシュリとも?」

「ああ。学生時代はよくつるんでいたな」

メニューを開き、オレはカレーを、ムメイはカツ丼を頼んだ。

食事中は普通に会話を進めた。

学院のことや街のことを聞き、しばらくは和やかな雰囲気で過ごせた。

食後になると、ムメイはソワソワした。

「ここってタバコ吸えないんだよな~」

「シュリも同じこと言ってました。寮内は禁煙なんですね」

「いや、寮の管理人室は別。他は禁煙になっている。一応」

…一応、と言うことは、黙って吸っている人がいるってことだろう。

しかも寮生達が。

雰囲気で言葉の意味を知り、オレはため息を吐いた。

まあタバコぐらいだったら、どこでも聞くことだ。
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