ようこそ! 魔破街へ
そして母は大学生の時に、父と知り合った。

父方もまた特殊な生き方をしていた。

父方の犯罪遺伝子の覚醒者はそもそも、どこか研究者タイプが多かった。

自分の興味の持ったことに、とことん突き進む。

そこにどんな犠牲を払おうが、自分の気が進むまで止まらない。

そういう気質が父方の血筋に出ていたのだろう。

例の医者の子供は、父親が処刑された後、この街へ連れて来られた。

この子供は自分自身を知る為に、犯罪遺伝子を研究することを始めた。

それから父方の者は全員、犯罪遺伝子の研究者となった。

彼らは高校まではここで過ごす。

しかし高校を卒業すると、外の犯罪遺伝子の研究チームと合流する為に、街を離れるのだ。

父は街を出て、外の大学へと通い始めた。

その時に、二人は出会ったのだ。

父は母が同類であることは知っていた。

だが母は自分が犯罪遺伝子の持ち主であること、そして魔破街のことは何一つ知らずに生きてきたらしい。
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