ようこそ! 魔破街へ
「表の世では、そういう職業の人がいるのね」

「『表の世』?」

「そうよ。ここにはケーサツという職業の人はいないわ。代わりにいるのは処理班」

「処理班?」

その言葉はあまり聞かない。

「そう。さっきの死体を処理してくれる人達のことを言うの。まあ職業ね。死体を処理した後、死亡届けのこととかもしてくれるから」

「キミは…」

オレは勇気と声を振り絞った。

「裁かれないの?」

「裁く? …何を?」

…そこでオレはようやく、この街の異常さに気付いた。

そう、ここはオレが住んでいた世の中の常識が通用しない。

恐るべき、罪と罰が無い世界だったのだ。
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