ようこそ! 魔破街へ
「それで伯父はこの街に興味を持ち、わざわざ越して来たんだ」

「えっ! じゃあこの街にいるんですか?」

「管理者の一人となっていて、お前を養子に迎えたいらしい」

「…はい?」

また話が変な方向に飛んだぞ。

「お前の伯父は結婚もせず、子供もいない。だからお袋さんが亡くなった後、お前をこの街へ引き取りたいと言い出した。兄妹仲は良かったらしいからな。でも親父は嫌がった。そこで引っ越し族になったワケだ」

「じゃあ追っ手の正体は…」

「ああ、伯父が差し向けていた。それをよくもまあ、かわし続けてきたもんだ。恐れ入るよ」

…妙なところで争いをしてほしくなかった。

と言うか、オレの意見を全く聞いてこないところが、二人してイヤだな。

よく母は相手をしていたものだ。

「お前の伯父は諦めていない。お前を養子として、この街の管理者の後継者になってほしいと願っている」

「えっ…」

何でそっちに話がいく?
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