ようこそ! 魔破街へ
思わず顔が歪んでしまう。

「ところが親父は嫌がる。高校を卒業したら、お前と再び一緒に暮らすことを望んでいる。果たしてどっちが勝つんだか…」

「って、ちょっと待ってくださいよ。そこにオレの意見は入らないんですか?」

「さあな。俺は分からん」

ムメイはきっぱり言い放った。

…確かに、オレも二人に口出せるか分からない。

けれどせめて卒業前までには、答えを出さなければいけない。

この街に残り、住人として生きるか。

それとも街を出て、表の世界で生きるか。

まあどちらにしろ、オレが犯罪遺伝子の保持者であることには変わらない。

先を思うと、ため息を吐かずにはいられなかった。
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