ようこそ! 魔破街へ
学院の生徒達
「は~」

オレはため息を吐きながら、校舎から出た。

外はすでに真っ暗。

…そしてオレのお先も真っ暗だ。

つーか見知らぬ伯父と、親父が見えないところで争っていたなんて…考えたくもない。

それに親父に愛され、大切にされているということも…イマイチ信じられない。

幼いうちからこの魔破街へ閉じ込められて生きてきた父は、確かに愛情表現が下手なのかもしれない。

でも…それとこれとは別。

全く知らせないなんて、信用していないとも言えるからだ。

「と言っても、オレ自身も距離、置いてたもんな」

親父のことばかりは責められない。

オレだって、親父に歩み寄ったりはしなかった。

いつでも一定の距離を置いて、接してきたのはオレも同じ。

けれどどこか、心ではつながっていると思ってた。

例え言葉や態度に出さなくても、そういう絆があると、信じていた。

「何でそう信じてたんだろうな…」

けれど親父に売られた今でも、悲しい気持ちにも寂しい気持ちにもならない。
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