ようこそ! 魔破街へ
アゴに不精ヒゲ、そして肩まで伸びた髪を後ろに一つに結んだ男性はこっちに駆けつけてくるなり、サラの頭にゲンコツを振り落とした。

がつんっ!

あっ、良い音。

「いったぁ~い! 信じらんなぁい! ここまで案内してきたのよ? サマナくんが安全に来られたのは、あたしのおかげでしょ?」

「お前自身が危険なんだよ!」

…それは一理ある。

ぎゃんぎゃん騒ぐ二人を傍観していたが、ふと男性がオレを見た。

「あっああ、悪いな、サマナ。ほっといて」

男性はボリボリ頭をかきながら、オレの方を向いた。

「俺はムメイ。親父さんから聞いているか?」

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