ようこそ! 魔破街へ
「それって部屋のも?」

「部屋は流石に大丈夫だけど、廊下も薄暗くなるからね。…この街の住人のことは知っているだろう? 子供と言えど、例外はないんだ」

タカオミは笑顔であっさりと言った。

―思いっきり物騒なことを。

「…あっ、そう」

「まあ滅多なことじゃ、住人達も噛み付いてこないから安心して。流石にオイタが多いと、処分されちゃうし」

処分と言うのは多分…処刑ということだろうな。

分かり始めてきた自分が、何かイヤだ。

三階に着くと、廊下を挟んで部屋の扉が立ち並ぶ。

本当にホテルみたいな造りだな。

「部屋の模様替えは各自自由。和室でも洋室でも好きなように変えてもらって良いから。その場合、イザヨイに申告すれば彼が全てやってくれる」

「模様替えの代金は?」

「必要ないよ。ここではお金の意味なんてないの、聞かなかった?」

「聞いていたけど、一応聞いておきたかった」

どこまで常識が通用しないのか、確かめたかった思いがある。
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