ようこそ! 魔破街へ
「くすっ。サマナの反応、本当に新鮮でおもしろいな」

タカオミは曇りのない笑顔を浮かべた。

「…まあそのうち、馴染むように努力するよ」

「ボクはそういう部分、おもしろいから無くさないでほしいけどね」

「何かバカにされている気がするんだけど?」

「まさか。あっ、サマナの部屋はここだよ」

タカオミは角部屋の扉を叩いた。

木製の扉に貼り付けてある金色のプレートには、『SAMANA』とある。

扉にドアノブや鍵穴などはなく、カードを差し込む部分があるだけだった。

オレはカードを取り出し、差し込むと、

ピーっ

と高い金属音が鳴った。

「この音が正常の証。失敗するととんでもない音を出すから、気を付けてね」

「…くれぐれも失敗しないようにする」

オレは素直に聞き入れ、扉を押した。

中は入ってすぐ廊下があり、少し歩くと部屋に着く。

ベッドなどの家具類は元から備えられていて、オレの荷物は身の回りの物だけだった。
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