ようこそ! 魔破街へ
段ボール箱で3箱もない。

「荷物持ってくれてありがとう」

「どういたしまして」

ここは机もあるから良い。

机の上に荷物を置き、背伸びをした。

「ふぅ…」

「一休みする? 夕飯までにはまだ時間があるけど、お腹空いたなら何か食べに行こうか?」

「荷物の整理をしたから、夕飯まで一人にさせてもらってもいいか?」

「分かった。何かあったら隣の部屋に来ると良い」

「ありがと」

タカオミは笑顔で手を振り、部屋を出て行った。

「はあ…」

オレはため息をつき、ベッドに腰掛けた。

タカオミは何も言わなかったけれど、気を使ってくれたんだろう。

結構、体力的にも精神的にもオレは参っていた。

突然のことに、いろいろとついていけない。

…だけど決めたんだ。

この街で生きていくことを。

自分が犯罪遺伝子を持っているからなのか、体が何か反応している。

この感覚はそう―懐かしいという気持ちに似ている。
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