ようこそ! 魔破街へ
「…ダメだ。考えがループしてる」

一人で悶々と考えていると、落ち込みそうだ。

オレは立ち上がり、荷物の整理をはじめた。

とにかくここで生きていくことを決めたのだから、生活する環境は作らなきゃいけない。

とは言え、荷物は少なかったので、一時間も経たないうちに終了。

下手に生活能力が高いと、変なところで損をするな。

壁にかけてある時計を見ると、そろそろ夕方だった。

窓の外もオレンジ色が広がっている。

「夕飯には早いだろうけど、タカオミとちょっと話してこようかな?」

寮のこととか、聞きたいことはいろいろある。

オレはカードを持って、部屋を出た。

そして隣の部屋に移動する。

プレートには『TAKAOMI』とあるし、間違いはないことを確かめて、扉をノックした。

「タカオミ、いる? サマナだけど、ちょっと話良いかな?」

「サマナ? いいよ」

返事が返ってきたので、オレは扉を押してみた。
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