ようこそ! 魔破街へ

寮生達

「寮のことについて、聞きたいことが…」

奥の寝室に顔を出した時、オレは自分自身が固まる音を聞いた。

その音は言葉にすると、こう。

ビシッ!

…例えるならば、雷を直撃したような、自分自身にヒビが入ったような音だった。

「寮のことについて、分からないことって?」

タカオミは先程と変わらず、爽やかなイケメンスマイルを浮かべる。

けれどオレの表情は張り付いているだろう。

理由はベッドにいる二人のことだった。

一人はタカオミで、もう一人は見たことのない青年。

問題は…二人が裸で寝ていることだ。

それはつまり…。

「ぎっ…」

「ぎっ?」

「ぎやーーーっ!」

生まれてはじめての絶叫だった。

オレはそのまま部屋から飛び出し、寮からも出た。

「うわーーーっ!」

絶叫を上げながら、とにかく街の中を全力疾走。

「ぜぇぜぇ…」

そして辿り着いたのは、魔破街の入り口だった。

鉄の扉に両手をつき、激しく息切れをしながら考えをまとめようとした。
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