ようこそ! 魔破街へ
後半の声が、どうしても沈んでしまう。

まだあの時は普通に友達になれそうで、喜んでいた自分が今は悲しい。

「イザヨイと私はイトコでな。まあアイツもアイツで問題のあるヤツだから、何かあれば私の所へ来るといい」

…とても頼りがいのある言葉のはずだが、その笑みからは邪悪な雰囲気が出ている。

さすがイザヨイの血縁者だな。

妙なところで感心していると、サラが眼をつり上げ、オレの前に庇うように立った。

「ちょっとシュリ! サマナに変なことしないでよ!」

「少なくともイザヨイやタカオミほどじゃないぞ、私は」

どれだけ男子寮って魔窟なんだっ!

オレは思わず頭を抱えた。

「まっ、男の方が精神的には成長が遅いと言われているからな。女の方がまともとは言えないが、理解力はある。そう思っておけ、サマナ」

「…了解しました」

どちらにしろ男女共々まともではないと、オレは理解した。
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