ようこそ! 魔破街へ
人間やることがないと、

「退屈で死にそうだ」

と言う言葉をよく使う。

何かを行うことで得られる達成感というものは、人は無自覚にも強い快感を生む。

それが無いと、自分と言う存在を見失ってしまうぐらい、退屈とは恐ろしいものだとオレは知っている。

「この街を作ったヤツらは、それが目的なのかもな」

「つまり…贅沢をさせて欲を緩和させ、退屈にさせて無力化を図ろうと?」

「カルマは中々賢いな」

眉をひそめ、嫌悪も露わな表情と声で言ったのに、シュリは満足そうに頷く。

「でも逆効果もあるでしょう? 退屈だからこそ、何かをしてしまうことだってある」

「その場合、処理班が出てくるのさ。流石に暴走を突っ走らせることはしない」

でも時々ならば、許されてしまうのか。

「ちなみに処理班達も、立派な犯罪遺伝子の持ち主だ。しかも『処理』に関するエキスパートとも言える。カルマ、気を付けろよ」

最後の言葉は、真剣な声で言われた。
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