ようこそ! 魔破街へ
「それって登校拒否とか?」

ジューシーな唐揚げを頬張りながら、オレは尋ねた。

「う~ん。まあ来たくないから来ないというのが理由だから、そうとも言えるかな?」

「でも出席日数はどうする? 卒業できないんじゃないか?」

「その辺りは平気。存在さえこの街にいれば、出席したことになるから。元々そんなに頭悪いヤツ、いないしね。この街には」

サラは淡々と語る。

この街特有のルールは、やっぱり特殊だ。

「ははっ。でもオレは真面目に通った方が良さそうだ。頭の出来は残念ながら普通の人並みだから」

「あっ、そういう意味で言ったんじゃないのよ? でもカルマが真面目に通ってくれるなら、あたしは嬉しいわ」

サラは学級委員長だから、真面目に登校しているんだろう。

「…ちなみにタカオミとカミヤも真面目な生徒?」

二人の名前を出すと、サラの表情が強張った。

禁句ワードに引っかかったらしい。
< 62 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop