ようこそ! 魔破街へ
オレは涙ぐみながら、食事を再開した。

しかし騒いだせいか、周囲の女の子達の視線を集めてしまった。

ううっ、居心地が悪い。

ここは早く食べて、自分の部屋にとっとと戻った方が良さそうだ。

けれどどうしてもサラに聞きたいことがあった。

だから食事も終わりそうな時、オレは思い切って聞いてみた。

「なあ、サラ。この寮生で…というか、学院で注意しなきゃいけない人ってどれぐらいいる?」

オレの問いに、サラは動きを止めた。

そして眉を寄せ、しばし考えてから口を開いた。

「…生徒でもあり寮生でもある、コクヤという男には気を付けて」

サラは真剣な眼差しで説明した。

「コクヤは【スピリット・クラッシャー】の異名を持つ、犯罪遺伝子の持ち主なの。でも本人も当に覚醒してて、この街も彼の扱いには困り果てているわ」

「【スピリット・クラッシャー】?」

「そのまんまの意味さ。【精神を砕く】。ヤツは人の心を壊すことに、この上ない快感を感じるんだと」

オレの疑問にシュリが答えてくれた。
< 65 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop