ようこそ! 魔破街へ
「えっ?」

「聞かなかった? シュリは男嫌いで有名なんだ。ちなみにイザヨイは女嫌い。血のつながったイトコなのに、おかしいよね」

…それってつまり、恋愛対象はお互い同性ってことか?

風呂に入って温まったはずの体が、一気に冷えていく。

「あっ、そうなんだ…」

「ボクのことも邪険に扱うし。サマナだけは例外みたいだね」

…どういう意味での例外だろう?

あんまり考えたくもない。

「あっ、そうそう。さっきはゴメンね? 変なところ見せちゃって」

「ああ…うん。まあビックリはした」

そして再認識した。

ここは本当に無法地帯なんだってこと。

でも偏見がないだけ、居心地とかは悪くない。

―くだらなく、わざと常識ぶっている人よりは大分良い。

世の中には常識ぶることを正義で正しいと思っている連中が多い。

そういう奴等は特に偏見を多く持つし。

正直、オレはそういうところは嫌いだ。
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