ようこそ! 魔破街へ
タカオミは手をポンと打ち、良いアイディアだと言うように頷いた。

しかしどちらにしろ、オレの隣の部屋で行われることには変わりない…。

その時は四階にでも避難しよう!

「あっ、そうだ。タカオミにちょっと聞きたいことがあったんだ」

「ん? 何?」

「その…コクヤって人のこと」

タカオミの表情が強張る。

「…サマナ、どこでコクヤのことを…って、サラかシュリから聞いたのか」

タカオミはため息を吐き、軽く髪を掻き乱した。

「コクヤはこの寮の地下に住んでいるんだ」

オレから視線を逸らし、言い辛そうに語る。

「地下? 地下にも部屋があるのか?」

「いや、本来は地下室なんて無かった。けれどコクヤの希望で造られ、地下室全体がアイツの部屋となっている。けれど普通の寮生達は決して行くこともできないから、覚えておいて」

「それってこの部屋と同じく、住人の許可がないとダメだってことか?」

「それもあるけど…何かいろいろと仕掛けているみたいでね。ボクもイザヨイもよっぽどのことが無い限り、あそこへは行かない」
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