ようこそ! 魔破街へ
「…こう言うとアレなんだけど、処理班は?」

「ムダだね。何人か差し向かったことがあるけど、返り討ちの全滅。しかも彼は指一本動かさず、言葉だけで勝った。無傷でね」

タカオミは信じられないと言ったように、首を横に振る。

「だからこの街の住人達ですら、コクヤには誰も敵わない。サマナも会ったら、逃げてほしい。彼は自分に向かってくる者には容赦ないけど、逃げる者は追いかけて来ないから」

来る者拒まず、去る者追わずというヤツか…。

「まあコクヤのことを抜かせば、この街の住人達もそんなに悪くはないから」

と、空気を変えるようにタカオミは明るく言ったが…すでにサラとコイツのせいで、印象は悪い。

「あっ、そう…」

「詳しくは明日の朝にでも話すよ。朝食は一緒でも良い?」

「ああ、良いぜ」

「じゃあ七時半に迎えに来るよ。準備しといて」

「分かった」

「じゃあ、おやすみ」

最後はいつものイケメンスマイルで出て行った。
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