ようこそ! 魔破街へ
「コクヤ…か」

心を殺す犯罪者の血族の人間。

…でもオレだって、人殺しの血筋の人間だ。

心も体も、どちらも勝手に奪って良いモノじゃない。

なのにこの身には、罪が流れている。

右手で左手首を握り締める。

血脈はオレの代で、途絶えさせるのが良いのかもしれない。

親父はそうは思わなかったんだろうか?

それともそう思っていても、母と出会って変わってしまったんだろうか?

…どちらにしろ、後から産まれる子供のことなんて、あまり頭になかっただろうな。

「クソ親父っ…!」

オレはやり切れない思いを拳にし、枕に当てた。
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