ようこそ! 魔破街へ
「あ~、キミがカルマか。よろしくな」

ちょっとぼ~っとした感じの中年男性が、担任だった。

「担任のキバラだ。学院のことで分からないことは、遠慮なく聞いてくれ」

「はい、よろしくお願いします」

そう言って頭を下げると、キバラは感心したように頷く。

「うん、外部生は礼儀正しいね」

…最早、何も思うまい。

「この街のことは聞いたかね?」

「はあ、まあ…」

気の抜けた返事しかできない。

けれどそれで納得したように、キバラはまた頷いた。

「最初は戸惑うことも多いだろう。上手く生きていく為にはとにかく慣れることだ。慣れればこの街も悪くない」

「まあ悪いとは思いませんが…ちょっと理解できない部分が多そうです」

「全てを理解しようなんて思わない方が良いぞ。頭痛がしてくる」

あっさりと言うな…。

「ちなみに先生は長いんですか?」

「わたしは生まれも育ちもここだ。父の代から住んでいる」
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