ようこそ! 魔破街へ

女子寮・再び

…とは言え、女子寮に堂々と入るには勇気がいる。

オレは箱を持ったまま、女子寮の前を行ったり来たりしていた。

「サラ、出て来ないかな」

シュリでも良いのだが、そもそも人気が無い。

「明日にしよっかな」

あんまり女子寮の前をウロウロするのも、気持ち的に辛い。

いくら非常識な街とは言え、怪しいものは怪しいし。

「…帰ろう」

引き返そうとした時、目の前に二人組の女の子が来た。

「あっ、転校生のカルマくんだ」

「あら、本当。どうしたの?」

オレを知っている?

…と言うより、高等部のセーラー服を着ているし、二人の顔には見覚えがあった。

一人は天然パーマの茶髪の女の子、もう一人は黒い髪に三つ編みをしている女の子。

「えっと…サラに会いに来たんだ。悪いけど、呼んでもらえないかな?」

「サラ? 彼女、今日は実家に用事があるとかで、外出しているわよ」

天然パーマの女の子が、顎に指を当て、可愛らしく首を傾げる。

…可愛いな。

ふわふわした髪に、女の子特有の色白の肌。
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