いじめ
~日芽花~

「ふっ・・・・・」
あたりまえじゃない。
・・・実見・・・あんたが何もかも悪いのよ。
そう。あんたの父親をクビにしたのは・・・私。
私は日本で1番大きな麻倉財閥の1人娘。
だからなんでも思い通りになるって訳。
実見・・・あんたむかつくのよ。
誰にだって・・・人に愛想振りまいてればいいと思ってるんでしょ?
私は・・・勉強に関してもすごく努力してきた。
だから今の私がいる。
だから・・・成績は必ずトップの私がいるの。

そう、努力したから。

でも実見・・・あんたは何も努力してない。
だから・・・こんな目に合っても当然よ。
まぁせいぜい楽しむといいわ。
残酷な日々を・・・
“いじめ”を―――――!!


~葵~

・・・できる訳ない。
実見を・・・無視なんて。
実見をいじめるなんて。
「いい?葵。あんた、実見を無視しなさいよ」
「えっでもわたし・・・」
「文句ある!?反対したら、あんたも同じ目に合わすわよ!!」
あたしは、ただ日芽花が怖かった。
だから・・・あんなに最低な事に手を染めてしまったんだ。
臆病なあたしは、前から1人じゃ何もできなかった。
入学式のとき、あたしは1人だった。
でもそんなとき実見が来て―――――――
「あ、あなた藤咲葵ちゃん!
よかったらお友達にならない?」
誰よりも先に、声掛けてくれたんだ。
そんな優しい実見に・・・
こんなことしていいの?
日芽花の欲望のために・・・
こんなことするの??
わたし・・・
わたしは・・・・・
日芽花が怖い。
でも自分の気持ちを貫くことはできないんだ・・・。

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