いじめ
~実見~

「ただいま・・・」
「おかえり実見」
あれ、お母さん。
今日も早かったのかな・・・。
学校であったことは、内緒にしておこう。
お父さんやお母さんを、困らせないように。
「実見・・・お母さんね」
「・・・何??」
「お母さんも・・・クビになっちゃったの」
・・・は・・・?
何言ってるのお母さん。
意味わかんない・・・。
だって・・・おかしいよ。
そんなに続けて・・・なんて。
嘘でしょ?こんなの。

お願い

嘘って言ってよ

お母さん―――――――――――

「ごめんなさい実見・・・・・!!」
お母さんはその場で泣き崩れた。
お父さんはうつむいている。
あたし――――――――――
本当に、学校に行けなくなる。
葵にも日芽花にもみんなにも・・・
会えなくなる。
そんなの、嫌。
「じ・・・じゃあ・・・
あたしたち、どうなるの・・・?」
「・・・わからないわ。
でもお姉ちゃん・・・モデルでしょ?
まだ、働いててくれてるわ」
そう。あたしのお姉ちゃんは超人気モデル。
ファッション雑誌に引っ張りだこの現役高校生。
・・・こうなったら・・・・・
お姉ちゃんにすべてを託すしかない・・・。
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