いじめ
~実見~

ガラッ・・・
あたしは仕方なく今日も学校へ行った。
・・・本音を言うと、行きたくない。
家にいたい。
学校に行っても、いじめられるだけ・・・。
でも、それでも。
葵と話したい。
日芽花とまたバカやりたい。
きっと叶わない事。
でも、学校に行けば0.1%は可能性がある気がして―――。
「おはよ日芽花!」
「おはよう月子(つきこ)」
「日芽花!昨日発売の雑誌買っちゃったぁ♪」
「まじで!莉桜(りお)、見せて!!」
・・・月子と莉桜。
日芽花のとりまき・・・。
「・・・葵も一緒に雑誌見ない?」
莉桜が、葵に話しかけた。
葵は肩をビクンとさせ、一瞬あたしを見た。
・・・たぶん葵は迷ってる。
日芽花たちが怖いのかもしれない。
「・・・ありがとう」
・・・!・・・・・
葵は小さく笑顔を浮かべ、雑誌を見始めた。
・・・なに・・・?
あたしを入れてくれないなんて今までありえないのに。
思い切って・・・話しかけてみようかな・・・
「・・・あのッ!!」
話しかけると、みんな一斉にあたしを見た。
・・・日芽花だけは・・・・・
睨んだ目。
「・・・あたしも一緒に雑誌、見てもいい・・・?」
月子と莉桜は目を大きく見開き、目を合わせる。
日芽花は十分に間を開かせ、答えた。
「・・・いやよ」
・・・そんな!
「莉桜がせっかく見せてくれてるのに・・・
あんたなんかが見たら雑誌が汚れちゃうわ!
そうよねぇ?月子、莉桜」
「そうよ!日芽花の言う通りだわ」
「あたしの雑誌、汚さないでよね」
・・・ひどいよ・・・。
葵は涙目で窓の外を見ている。
・・・完璧に・・・・・
“いじめ”か・・・・・。
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