キミと青空の下で
今、記憶の中の男の子の名前が聞こえたんだけど…
いや、空耳じゃない。
これは……イケメンくんの名前だ。
あたしは驚きのあまり口をパクパクさせる。
彼は多分あたしの名前を知らない…そして幼稚園時代の頃も覚えていないと思う。
鉄棒が出来ないあたしを助けてくれた事を覚えていないと思う。
いつか会えるといいなって思ってたんだよ?
今日の朝までは……
亜衣は鉄棒の話を知らないから、ただ朝会った子だから驚いていた。
「じゃぁ、鈴丘さんの隣の席に座ってくれる?」
あっ…そういえばあたしの隣空席だった。
転校生の為に誰も座っていなかったんだ…。
隆起くんは『はーい』と適当に返事をすると、女子の黄色い声が飛び交う中あたしの隣に座った。
彼を見ると、何だか満足そうに笑っている様子…