キミと青空の下で
いきなり"初恋"という単語が飛び出して、一瞬心臓が跳ねた。
びっくりした……それって、あたしが隆起くんを好きだったって事?
「そんなの幼稚園の話だから分かんないよぉ」
だいたい、記憶なんて曖昧ではっきり覚えていないわけだし…
すると亜衣は、大きなため息を漏らす。
「分かんないのー?ずっと飯田くんに会いたいって思ってたんでしょ?それくらい気持ちが大きいんだから、きっと好きだったって事じゃん!」
「そうなのかなぁ…?でも今は分かんない…」
もしかしたら隆起くんの事、好きかも知れない?って思う事があった。
けど、別に伝えたいって思った事もなくて、ただもう一度会ってみたいって思っただけ…
あぁ~~、自分の気持ちが分かんないよぉ!
分かれ道の時、亜衣は『頑張ってー』と手をひらひらさせて帰って行った。
とりあえずよく考えてみよう。
隆起くんにあたしの事を思い出させなきゃ…