キミと青空の下で





昔の隆起くんだ……。




あたしは少し拗ねたフリをすると、海に向かって走った。




「うわぁっ、冷たい!!!」




「当たり前だろっ、まだ4月だぞ」




思わず突っ込まれて、少し安心した。




初めて隆起くんと二人きりで落ち着く気持ちを知った気がしたんだ。




水が冷たくて、砂浜に座っている隆起くんの隣に逃げる。




隆起くんはあたしを笑っていた。




ちょこんと座り込むと、何故か照れが出てきて隠すために海を見つめていた。




「水平線がきれいだぁー」




「鈴丘ってこういうタイプなんだなぁ?」




「こういうタイプって??」




「なんて言うか、素直に笑ったり拗ねたりする子って感じ?」




なんか要するに子供って言いたいのかな?




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